小学校のとき、夏休みのお昼ご飯に、こぞくらの煮付けがときどき登場しました。こぞくらはブリの子供で、成長するにつれ、石川県では「こぞくら」→「ふくらぎ」→「がんど」→「ぶり」と名前が変わります。
幼い頃、この「こぞくら」の煮つけが食卓に並んでいるときは、決まってうるさい蝉の鳴き声と、カタンカタンと首を振る扇風機の音が、汗をかきながらお魚の身をむしる私の耳に聞こえていました。そして、脂の少ないモソモソした「こぞくら」の身がのどを通らず、それがいつも暑さを倍増させました。だから「こぞくら」は私にとって、イラつく夏の風物詩です。
そういうわけで、私は「こぞくら」を、自分で買って煮付けにしたことがありません。先日、初めて買ったのは、単に大きくて安かったから。
おばあちゃんのこぞくらの煮付けは、いつも酢が入っていました。だから余計にきらいだったのかもしれません。でもまぁ、それに似せて作ってみました。梅干を入れて甘めの味付け、そして最後に酢を回し入れ、ひと煮立ちさせます。
お味は・・・
かなりいけます・・・というか・・・美味しい・・・
「最近のこぞくらは変わったね、おいしくなった」と友人に言ったら、
いや、あんたが変わったんでしょ、と言われた。
「こぞくら」の美味しさが分かるようになったか、私も。
これで、「こぞくら」も克服やぁ(^^)v